情報フィルタリングの方法としては, 得られた検索結果から情報を選別するという方法もあるが, ここではそのような方法ではなく, 検索条件を調整することによって検索結果を ユーザの状況に応じたものにするという方法を採っている. これは,まずは比較的シンプルな構成で実現してみたいという要望と, 検索結果の加工は利用するWWWサイトの著作権的制約を受ける場合が多いため, 実際の運用時には使用できない場合があり得る,という二つの理由からである.
個人別時空間情報フィルタリングが蓄積するルールは,例えば,
{新橋周辺,平日17時以降,会社員} → 居酒屋といったようなものである. (I)の機能を使って,運用者は, 一般的と思われるこのようなルールを蓄積しておく. また,(II)に従って,ユーザは自分の好みのルールを定義しておく. さらに,(III)の機能は MIS内のユーザの利用履歴から, このようなルールに相当する利用履歴を抽出し, 使用された回数順のランキングを生成しておく. (IV)の機能は,(I)〜(III)からのルールの中から,現在のユーザの状況に 合致するものを取り出し, 利用するWWWサイトが複数の付加検索条件を 受け付けるかどうかなどを考慮しながら, 取り出されたルールとユーザが付加した検索条件を ある重み関数を用いて選択的に適用する. この関数の詳細は現在検討中である.