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移動環境下の ユーザ指向型WWW検索

  モーバイル環境下でユーザがWWWを利用する場合には, 次のようなものが考えられる.

  1. 机の上でWWWを利用する場合と同じことをモーバイル環境で行う場合
  2. 出先のモーバイル環境下で,忘れかけていたことや 急に思いついたことを確かめておきたいと思う場合
  3. 現在地周辺の地図や現在地周辺の店舗情報などの いわゆるタウン情報を検索し,検索結果を参考に, その後の行動(例えば,あるレストランに行く)をとる場合

a. のような場合には,モーバイル環境のアクセスラインの帯域の狭さなどの 理由から,情報の意味を極力失うことなく,WWWコンテンツのデータ量を 減らすなどして,ユーザの利便性を向上する必要性があり, 例えば,[1]のようなProxy Serverなどが求められる.

また, b.のような場合には,人間の連想記憶やエピソード記憶を支援するような 機能を提供することにより,モーバイル環境での検索をスムーズに 行えるようにしたり,机上に戻った後でも出先の思いつきを保持できるようにしたり すること等が求められると考えられる.

本稿で対象とする c.のような場合には, ユーザの状況(場所・時間・ユーザの特性など)に応じた 情報をより簡易に検索できることが 求められる.具体的には, 次のような支援をユーザに対して行うことによって, ユーザが使いやすい,ユーザ指向型のWWW検索が実現できると考えている.

  1. 現在地周辺の情報を簡易に検索できること
  2. 様々なWWWサイトについてシームレスに検索が可能であること
  3. ユーザの状況(場所・時間・ユーザの特性など)に応じた 情報が検索できること

MISは,この1.,2.については 位置情報エージェント機能,3.については個人別時空間フィルタリング機能 を持っており,ユーザにとって快適なユーザ指向型WWW検索を提供する.

c.のような目的の同種のシステムとして, [2]などがある. これは,3.の条件を満たすため,あるタウン情報への他のユーザの着目度や 他のユーザからのあるタウン情報への追加情報の提供があったことの存在を 顕在化する,Social Filtering機能を持っている. MISでも,ユーザの利用履歴から, [3]のようなSocial Filteringが可能であるため, 現在検討中である.


Nobuyuki Miura
Thu Dec 11 18:26:15 JST 1997