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はじめに

  昨今のWWWの普及に伴い,携帯パソコンや携帯情報端末(PDA)にWWWブラウザが 搭載されることが多くなった. これにより,いわゆるモーバイル環境下でWWWを利用するユーザが増えてくる ことが予想される. ユーザによって,その利用目的は様々であると考えられるが, そのいずれの場合も,現在のWWWは,残念ながら モーバイル環境下では利用しにくいことが多い.

移動環境下でのWWW検索としてはいくつかの状況が考えられるが, 本稿では特に,ユーザが現在地周辺の地図や現在地周辺の店舗情報などの いわゆるタウン情報を検索し,検索結果を参考に, その後の行動(例えば,あるレストランに行く)をとるという状況を対象とする. このような利用目的に対して,ユーザにとって快適な,ユーザ指向型WWW検索 環境を提供する,モーバイルインフォサーチ( MIS)を提案する. 我々は,この MISを,PHSの位置情報システムと組合せた, モーバイルインフォサーチ実験システムを実現した. この実験システムは,専用の位置情報PHSを持つ,関東および大阪市内の 約50組織・約450PHS端末を対象に本年9月19日より12月31日まで公開実験を行っている.

まず,2章で, 移動環境下のユーザ指向型WWW検索にはどのような種類のものが考えられるか 検討し,本稿で対象とする利用目的のために求められる要件について述べる. 次にこの要件を踏まえて,6章では, 本稿で提案する「モーバイルインフォサーチ( MIS)」 の2つの機能,4.2節で 位置情報エージェント機能について, 4.2節で 個人別時空間情報フィルタリング機能について述べる. さらに6章で, PHSの位置情報システムと MISを組み合わせて, 現在地の位置情報をPHSから取得し,様々なサイトのWWW検索が可能な, モーバイルインフォサーチ実験システムについて述べる. 6章では, 約100ユーザに関する利用動向分析結果の紹介とその考察を行う. 最後に6章でまとめと今後の課題について述べる.


Nobuyuki Miura
Thu Dec 11 18:26:15 JST 1997